私の独自ドメインのPCメールからauの携帯にメールを送ると、迷惑メールフィルターのなりすまし規制に引っかかって、黙って破棄されてしまうことが分かりました。(「auに飲み込まれるPCメール」)

これを防ぐには、DNSのゾーン情報にSPFレコードを追加して、送信元のSMTPサーバを明示してやれば良さそうです。

私はA社のホスティングを利用していて、SMTPサーバもDNSサーバもA社の管理下にあります。なので、A社のDNSゾーン編集機能からTXTを追加すればいいわけですが、今はゾーン編集機能が使えなくなっています。なぜ編集させてくれないのか? それは、私がドメイン更新を別のB社に頼んでいるからのようです。過去に何度かサーバを引っ越した経緯で、ホスティングとドメイン更新を別々の会社に頼んだ状態になっていて、いつかドメイン管理もA社に移管しようと思いつつ、それで特に困ったことがあるわけでもないので、つい長いあいだ放置したままになっていたのでした。

ただ、ここで慌ててドメイン移管しなくても、A社のサポートに頼めばSPFレコードを追加してくれるかもしれません。そこでメールで問い合わせてみたところ、答えはノー。A社側でゾーン情報の編集をすることはできないとのことです。ならばドメイン更新をA社に移管すればゾーン編集機能が使えるようになるのか訊いてみると、こちらはイエス、TXTレコードが編集できることも保証してくれました。こうなると、もうドメイン移管を実行に移すしかありません(まあ、別の場所に自分の自由になるDNSを確保する手もありますが、いたずらにサーバ増やしても面倒なので。あと、A社のドメイン更新料はB社よりずっと安いし……)。

A社のドメイン移管マニュアルによると、移管を申し込む前に、移管元からAuthCodeを入手し、Administrative Contactのメールアドレスを自分のアドレスに書き換えてもらうように、という注意書きがあります。

そこで、今度はB社のサポートにこの2点を依頼しました。回答は、(1)ドメイン転出する場合は、まず解約手続きをして、そのあとにAuthCodeの発行を依頼してくれ、(2)Administrative ContactにはB社のメールアドレスが登録されていて、移動申請が届いたらB社が承認手続きをするので、メールアドレスの変更はできない――。

ということで、まずはB社のドメイン管理の解約を申し込みます。そしてすぐ、サポートにAuthCodeの発行を依頼。するとメールでAuthCodeが届きました(AuthCodeってパスワードみたいなもんなのに、平文メールでやりとりして大丈夫なのかなあ……)。

次に、A社にドメイン転入の申し込みをします。AuthCodeも入力してバッチリ。その後何通か経過を知らせるメールが届き、約30時間後には早くも移管完了の連絡が来ました。ゾーン編集機能も使えるようになっており、早速「v=spf1 +mx -all」というSPFレコードを追加します。

auの携帯で迷惑メールフィルターの「なりすまし規制:高」にして早速実験したところ、無事メールが届くことが確認できました。いろいろあったあとだけに、感動的!

なんとなく敷居が高く感じられて今までサボっていたドメイン移管ですが、やってみると意外に簡単でスピーディーということが分かりました。これなら、その時々でいちばん安い業者に移管する、なんていうこともアリかも知れません(って、今までのことを考えると絶対やらないと思いますが……)。