iPhone4の非常用電源として、1か月ほど前に三洋電機のスティックブースター(eneloop stick booster KBC-D1BS)を買い、鞄に放り込んで持ち歩いています。その点検も兼ねて、電池残量ゼロから満充電までどのくらいかかるか、実測してみました。

まず、1か月ぐらい前に満充電したeneloop 2本で充電を開始。5分30秒でiPhoneの電源が入り、残量計は4%になりました。iPhoneは完全放電された状態から充電するのに通常より高い電圧が必要で、製品によっては0%からの充電ができないものもあるそうですが、スティックブースターは公式に対応しているので安心です。そのまま充電を続け、1時間8分45秒で終了。残量は48%になりました。

続いて、買い置きしていた新品のeneloop 4本セットから2本を取り出し充電を再開。このeneloopは2011年2月製造となっています。1時間5分30秒で充電が停止。残量は90%になりました。

さらに新品eneloopの残りの2本に入れ替えて、3度目の充電を開始。100%になっても通知が無いので、正確な時間を捉えることができませんでしたが、31~34分の間で満充電になったようです。

合計すると、だいたい2時間45分かかったことになります。また、0%から満充電まで持っていくには、eneloopが4~6本必要そうです。

電池の容量という意味では、リチウムイオン電池を使ったモバイルブースター(eneloop mobile booster KBC-L2BS、ただし9月8日に新製品が出ます)などの方が有利だと思いますが、私の場合はあくまで非常用の補助バッテリーの意味合いで持ち歩いているので、充電から3年後でも75%の残存率をうたっているeneloopであることに意義を見出しています。また、遠出するときなど心配なときだけ多めにeneloopを持っていくようにすれば、普段は荷物を軽くできるという点も気に入っています。

ちなみに、iPhoneのバッテリー耐用年数を伸ばすため、充電はかならず残量20%以下になってから始めるよう心がけていたのですが、今回あらためてAppleのリチウムイオンバッテリーの説明iPhoneのバッテリーについてを読んでみると、そのような注意は書かれていませんでした。また、リチウムイオン電池の技術資料が詳しく載っているベイサンのページを読んだ限りでも、やはりリチウムイオン電池にはメモリー効果が見出せないので、継ぎ足し充電してもそれ自体で性能が劣化することは無いと明言されています。

では何に気をつければいいのかというと、両者のページで強調されているのは温度です。リチウムイオン電池は温度が高い状態に置くほど容量の劣化がひどくなり、かつ、それは満充電に近いほど激しくなります。したがって、継ぎ足し充電を繰り返して50%→100%→50%→100%とした場合の方が、20%→100%→20%→100%の場合よりも、「高温かつほぼ満充電」の状態に晒される確率が上がり、結果的に容量劣化が激しくなります。つまり、「継ぎ足し充電は良くない」というのも間違っているとまでは言えませんが、気をつけるべきは「なるべく高温にさらさないこと」だということが分かりました。であれば、今後はあまり20%以下にこだわらず、逆になるべくズボンのポケットに入れたままにしないといったところに気をつけようと思いました。