今週解禁されたあのワイン、私は「ボジョレー・ヌーボー」だと思っていたのですが、何気なくNHKの朝のニュースを聞いていたら、出演者が全員「ボージョレ・ヌーボー」と発音していました(長音の位置が違います)。そのときは、あれ、今年からカナ表記を変えたのかな? なんて思っていました。まあ、元はフランス語の Beaujolais Nouveau [boʒɔlɛ nuvo] で、フランス語では母音の長短を弁別しませんから、どこに「ー」を入れようが自由ではあります。

で、あとでGoogleで調べてみてびっくり。「ボージョレ・ヌーヴォー」や「ボジョレヌーボー」など、上の2つ以外にも実にさまざまな表記があります。

そこで試しに、ちょっと表記のばらつきを数えてみました。「ワイン 解禁」というキーワードでGoogle検索し、出てきた結果20ページ分を全文選択してテキストエディタに貼付け、出現数を数えました。サンプル抽出の仕方がいい加減で、数も少ないので、統計的に意味のある数字ではありませんが、いろんな書き方があるもんだという例にはなるでしょう。結果は次の通りです。

順位 表記 件数
1位 ボジョレ・ヌーボー 46件
2位 ボージョレ・ヌーボー 45件
3位 ボージョレ・ヌーヴォー 37件
4位 ボジョレー・ヌーボー 34件
5位 ボジョレー・ヌーヴォー 30件
6位 ボジョレーヌーボー 25件
7位 ボジョレーヌーヴォー 13件
8位 ボジョレヌーボー 6件
9位 ボージョレヌーボー 5件
10位 ボージョレー・ヌーボー 4件
10位 ボージョレー・ヌーヴォー 4件
12位 ボジョレー・ヌヴォー 3件
13位 ボジョレヌーヴォー 2件
13位 ボジョレー・ヌーヴォ 2件
14位 ボジョレーヌーボ 1件
14位 ボジョレーヌヴォー 1件
14位 ボジョレ・ヌヴォー 1件
14位 ボジョレ・ヌーヴォー 1件
14位 ボージョレー・ヌーヴォ 1件
14位 ボージョレ・ヌーボ 1件
14位 ボージョレ・ヌーヴォ 1件

今回調べた中にはありませんでしたが、「ボジョーレ・ヌーヴォー」のように「ジョ」の部分を伸ばす表記もあるようです。

ということは、「ボ」「ジョ」「レ」「ヌ」「ヴォ」全ての音節に長・短のバリエーションがあって、最後を「ヴォ」とするか「ボ」とするかのバリエーションもあって、あと単語間に中黒を入れるか入れないかのバリエーションもあるので、論理的には2の7乗、全部で128通りの表記がありえるということになります。実際に探せば全部のパターンが見つかるのではないかと思えるぐらいです。

もともと欧米語のカタカナ表記は揺れが大きいものだと思いますが、普通は2、3種類に収束していくような気がするので、現実の表記がこれほどバラけている例は、ちょっと珍しいのではないでしょうか。