そっちじゃない、の英単語
今日は朝から近所のフリーマーケットに参加していたのですが、このフリーマーケットということば、誰でも自由に店が出せるからfree marketだと勘違いしている人って、結構いるんじゃないでしょうか。実際にはflea marketが正解。fleaとはノミのことで、つまり蚤の市です。ちなみに経済学用語の自由市場の方はfree marketです。
似たような例としては、タックスヘイブンなんかもわりと勘違いされてそう。税金がかからない天国のような場所だからtax heaven、かとおもいきや、ホントはtax havenなんです。havenとは避難所のこと。船が嵐を避けて港に避難するように、企業が税金を避けてタックスヘイブンに避難するんですね。
モラルなんかはどうでしょうか。むかし仕事場で「そういうネガティブな発言はメンバーのモラルを下げるから控えてもらいたい」なんて言われたことがありますが、この場合のモラルはmoraleで士気のこと。一方、「一向に改善しない放置自転車問題、市民のモラルが問われています」とかいう場合のモラルはmoralで道徳のこと。なんとなく意味が近いので混同しがちですが、別の単語です。
ロイヤリティーも2種類あります。Lのloyaltyは忠誠、Rのroyaltyは使用料とか王位といった意味で、全く別の単語です。あっちがロイヤ「リ」ティでこっちがロイヤ「ル」ティだ、といった主張も見かけますが(どっちがどっちかは人によって違う)、英語では最初の子音以外全く同じ発音なので、カナで書き分けるのは無理筋でしょう。
マニフェストなんかも2種類ある単語ですね。「民主党のマニフェスト」とかいう場合のマニフェストはイタリア語起原のmanifestoで、宣言書といった意味。一方、JARのMETA-INFに入ってるマニフェストファイル(って、急に話が飛んですみませんが)は、ラテン語から来たmanifest、積荷目録の方です。
ホールは3種類あります。ホールインワンのholeは穴、コンサートホールのhallは大広間、ホールケーキのwholeは丸ごとの、という意味です。
アルミホイルとアルミホイールは名前が似てますが、前者のfoilは箔(はく)、後者のwheelは車輪ですね。
そういえば、こないだ行ったビルの食堂のゴミ箱に、「燃えるゴミ: ティーパックなど」みたいな表示がしてあるのを見ました。ティーパックってtea packってこと? いやいや、ティーバッグ、tea bagでしょ、と心の中で突っ込んだのを思い出しました。あ、そういえばティーバックなんてものありますね。こちらはT-backか。
そういう聞き間違い系というと、フィーチャーとフューチャーを混同している人は結構いそうです。「大島優子をフィーチャー」とかのフィーチャーはfeatureで、動詞なら特集するとかそういう意味。そういえば、最近はスマホでもない、電話だけでもない、いわゆる普通のケータイのことをフィーチャーフォンなんて言いますが、こちらも同じfeatureで、特徴といった意味です(ベーシックフォンより機能や特徴が多いからフィーチャーフォンらしい)。で、フューチャーの方は、言うまでもなくfuture(未来)で、featureとは全く別の単語ですね。
ウエストの勘違いにも遭遇したことがあります。アメリカの工場に出張するとき、作業着を用意しておくからwestのサイズを教えてくれ、というメールが現地駐在員から来て、西か? 西のサイズを教えればいいのか!? と心の中で突っ込みました(実話です)。腰のウエストはwaistですからお間違いなく。そういえば、waistと同じ発音のwasteっていう単語もありますね。こちらは無駄とか浪費という意味です。
日本人が書いたプログラムを見ていると、似たような単語を勘違いして変数名を付けてたりすることが結構あります。例えばルート。これは、アクセス経路なんかの意味だとroute(経路)が正解ですが、ルートユーザーとかルートディレクトリの方のroot(根)と間違えているのを、ついこのあいだも見かけました。あとはファイルパスなんかのpath(道)を、パスワードのpass(通過する)と間違えていたり、データをキャッシュするときのcache(貯蔵所)をcash(現金)と間違えていたりするのは古典的な部類です。処理をアイドルさせるときのidle(空回り)をidol(偶像)と間違える、ってのはあんまり見たことはないけど、あるかもしれません。
日本人の苦手なLとRの間違いは、自分でもときどきやらかしてしまいます。これはもう挙げればきりがありませんが、上であげたロイヤリティー以外にも思いついたものをいくつか上げると、まずはコレクション。Lのcollectionは収集、Rのcorrectionは訂正ですね。あとグロサリー、Lのglossaryは用語集、Rのgroceryは食料雑貨店。それからグラマー、Lのglamourは魅力、Rのgrammarは文法。このパターンは、それこそ基礎単語のライト(lightは光、rightは正しい、writeは書く)とかリスト(listは一覧表、wristは手首)から始まって、loom(ぼんやり現れる)とroom(部屋)とか、lift(持ち上げる)とrift(割れ目)とか、life(生命)とrife(はびこって)とか、cartilage(軟骨)とcartridge(薬包)とか、きりがないのでもうやめよう……。
※更新履歴
- 2023-10-14 ディスクトップを英単語の読み方あれこれに移動
- 2024-04-29 loyalty/royalty、hole/hall/whole、foil/wheel、west/waist/wasteを追加