ラテン語のアクセントって、なんとなく関西弁のアクセントに似ている気がします。magnōrum《マグ[ノ]ールム》なんて《もう[せ]ーへん》とほとんど同じじゃないですか ([ ]の中を高く、それ以外を低く読んでね)。principiō《プリン[キ]ピオー》《ほんま[か]いなー》。ね、おんなじおんなじ。

ラテン語も日本語も、母音の長短があって高低アクセントなので、もともと発音は割と似ています。あ、ラテン語は強弱アクセントだった説もあるけど、それはひとまず置いといて。

で、ラテン語のアクセントは後ろから2番目か3番目の音節「だけ」を高く発音するので、長い単語の場合は必然的に頭のほうに「低・低」が連続することになります。confoederātiō《コンフォエデ[ラ]ーティオー》とかね。

日本語も高低アクセントではありますが、東京弁(というか東京式アクセント)には「1拍目と2拍目の高さが必ず逆じゃなきゃダメ」というルールがあるので(《[パ]ンダ》と《キ[リン]》とか)、このように語頭に「低・低」が連続すると、東京弁っぽくない響きになります。

いっぽう関西弁(というか京阪式アクセント)にはこのルールがないので、《ええ[か]んじ》とか《[きてみな]はれ》みたいに、語頭に「低・低」とか「高・高」が来るのも許されます。これが関西弁独特の雰囲気を醸し出しているわけですが、同時にラテン語って関西弁と似てると思わせる理由でもあります。