Windows使いがiPhoneやiPadにHHKB日本語配列をつないで使う場合、ちょっと設定を変えれば劇的に使いやすくなるのだが、その設定があちこちに散らばっていてすぐ忘れてしまうのでメモ。

JIS配列にしたい

設定一般キーボードハードウェアキーボードキーボードの種類」を開き、種類を「JIS (日本)」にする。

設定をアプリに反映するには、そのアプリの再起動が必要。

なお、キーボードとマウスなど複数のデバイスを同時につないでいると、「キーボードの種類」画面のいちばん上にデバイスの選択欄が出現するので、ここでHHKBを選択してから「JIS (日本)」にする必要がある。間違ってマウスを選んで「JIS (日本)」に設定しても効果はない。そもそもマウスなのにキーボードの種類を選べる意味がわからん。

Alt+Tabでアプリを切り替えたい (iPadのみ)

設定一般キーボードハードウェアキーボード修飾キー」で、CommandOptionに、OptionCommandに設定する。

普通のMac用キーボードは英数の左がOption Commandという並びなのだが、HHKBでは逆転してCommand Optionになっている。そこで、上記の設定により、iPadOS側でCommandOptionの解釈を逆にしてやる。この副作用として、かなの右のAltキーまでCommandになってしまうが、自分は右側のCommand Optionは使わないので良しとする。

複数デバイスを同時につないでいると、この「修飾キー」画面でもいちばん上にデバイスの選択欄が出現するので、間違ってマウスを選ばないように。そもそもマウスなのに修飾キーの (以下略)。

ちなみに HHKB Professional HYBRID の場合、Command Optionが割り当てられているキーと左Altキーは、ディップスイッチ5をオンにすることで入れ替えられるが、それだとWindows機でWindowsキーと左Altが逆になってしまうので本末転倒。

なお、Command+Tabでアプリを切り替えられるのはiPadのみで、iPhoneはこの機能に対応していない。

で、ここまで書いておいてなんだが、最近はこの設定をやめて、次項の設定にしている。

Ctrl+C・Ctrl+Vでコピペしたい (前項と排他)

設定一般キーボードハードウェアキーボード修飾キー」で、CommandControlに、ControlCommandに設定する。

WindowsでCtrlを使うショートカットは、iPhone/iPadではCommandに割り当たっていることが多いので、CommandControlを入れ替える方が直感的に使える、ような気がする。ただしこの場合、iPadでのアプリの切り替えはCtrl+Tabでやることになるので、どっちを取るかはトレードオフ。

iPhoneではそもそもCommand+Tabでアプリが切り替えられないので、最近はiPhone/iPadともこっちの設定に統一している。

英数キー・かなキーがほしい

HHKBキーマップ変更ツールで、無変換キーに英数を、変換キーにかなを割り当てる。

この件については、HHKBの「英数」「かな」切り替えキー再考に詳しく書いたので、そちらをご参照いただきたい。

文字を勝手に変換・確定しないでほしい (iPadのみ)

設定一般キーボードハードウェアキーボード」で「ライブ変換」をオフにする。

ライブ変換は慣れれば便利という話も聞くが、慣れない。

キーのリピート間隔を速めたい

設定アクセシビリティキーボードと入力キーのリピート」で、リピート間隔リピート入力識別までの時間を好みの値に設定する。

自分は0.03秒間隔、リピート認識まで0.30秒ぐらいが好み。

マウスを使いたい

  1. マウスをBluetoothでペアリング (またはUSB-Cで接続) し、認識させる。
  2. 設定アクセシビリティタッチAssistiveTouch」を開き、「AssistiveTouch」をオンにする。
  3. 同画面の「デバイス」から対象のマウスを選んで接続する。
  4. メニューを常に表示」をオフにして、AssistiveTouchの丸いメニューを非表示にする。

HHKB Studio のポインティングスティックを使えるようにする場合も、手順はマウスと同じ。

マウスを取り外してタッチ操作に戻るときは、そのままだと丸いメニューが残るので、「AssistiveTouch」自体をオフにする。

マウスホイールのスクロール方向を逆にしたい

設定一般トラックパッドとマウス」を開き、「ナチュラルなスクロール」をオフにする。

iPhone/iPadにマウスを接続すると、デフォルトではホイールを回した時のスクロール方向がWindowsと逆になっているので、この設定が必要。

マウスポインタの速度を変えたい

設定アクセシビリティタッチAssistiveTouch」を開き、軌跡の感度のスライダで調節する。

マウスのボタンに機能を割り当てたい

  1. 設定アクセシビリティタッチAssistiveTouchデバイス ▸ 対象のマウス ▸ 追加のボタンをカスタマイズ」と選択する。
  2. 機能を割り当てたいマウスのボタンをクリックすると、画面にボタンnが出現する。
  3. ボタンnに任意の機能を割り当てる。

例えば、ホイールと進む・戻るボタンがあるような一般的なマウスなら、下記の割り当てになるようだ。

ボタンn 実ボタン
ボタン1 左ボタン
ボタン2 右ボタン
ボタン3 ホイールボタン
ボタン4 戻るボタン
ボタン5 進むボタン

外部ディスプレイを拡張表示にしたい (一部のiPadのみ)

外部キーボードとマウスが接続された状態で「設定画面表示と明るさディスプレイ配置」を開き、「ディスプレイをミラーリング」をオフにすると、外部ディスプレイが拡張表示になる、らしい……。

iPhone/iPadを外部ディスプレイに接続すると、通常はデバイスと外部ディスプレイに同じ画面が表示されるが (ミラーリング)、AppleシリコンのMシリーズを搭載したiPadでは、USB-Cで接続した外部ディスプレイに別々の画面を表示できる。これを拡張モードと言う。

ただ、自分の iPad Mini (A17 Pro) はAppleシリコンAシリーズなので、この機能は使えない。まことに残念。それでも、27インチの4Kディスプレイにミラーリングしてフォントサイズを最小にして使うと、素の画面より遥かに広々と使うことができて、快適にはなる。

おまけ: 忘れがちなキー

ここまでの設定で、かなり Windows PC と近い感覚でiPhone/iPadを使えるようになる。

とは言っても、キーボードショートカットの体系はWin系とMac系でだいぶ違うので、そこは頭を切り替える必要がある。iPadだと、Commandを長押しすればそのアプリで使えるキーボードショートカットのリストが表示されるので、とりあえずそれだけ覚えておけば良い。

あと、たまにしか使わないと忘れがちなキー操作を下記にメモしておく。

  • Command+Hでホーム画面を表示
  • ¥を押すと円記号(U+00A5)が入力される。バックスラッシュ(U+005C)を入力するにはOption+¥
  • 英数字入力で文字キーを長押しすると、ダイアクリティカルマーク付きの文字が入力できる (超便利!)
  • メモアプリなどでは、Home/Endを押すと文章の頭/末尾に飛ぶ。行頭/行末はCtrl+A/Ctrl+ECtrl+アルファベットはなぜかEmacs風なので、P/N/B/F/A/Eは上/下/左/右/行頭/行末、D/K/I/Jは1文字削除/行末まで削除/タブ/改行。

※バージョンメモ

  • iOS 18.6.2
  • iPadOS 18.6.2
  • HHKB Professional HYBRID Type-S 無刻印/雪 (日本語配列)
  • HHKB Professional キーマップ変更ツール (Windows) 1.3.1
  • HHKB Studio 日本語配列/雪
  • HHKB Studioキーマップ変更ツール (Windows版) 1.1.0

※更新履歴

  • 2025-01-25 iOS/iPadOS 18ベースの内容に更新、マウスとディスプレイの設定を追記
  • 2025-09-15 新たに得られた知見を加えて全面改訂